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ボードテストとは?

 すべての電子回路はICをプリント配線板の上に半田付けして作られます。
製造される電子機器の高機能化に伴い、非常に複雑な機能を持つ論理回路がプリント配線板の上に作られています。
 その上に、電子機器の小型化要求に伴い、プリント配線板の狭ピッチ化が進んでいます。
そのため、半田ブリッジなどの「不良」が発生しやすくなっており、またその検出が非常に困難となっています。

 半田付けなどの回路実装時に発生する不良を検出するために行われる検査を「ボードテスト」と呼びます。
ボードテストをするために「ボードテスタ」と呼ばれる検査装置が使われます。 ここではボードテスタについて簡単に説明します。

ボードテスタにはさまざまな種類のものがあります。不良のない回路を市場に出荷するために、それらのボードテスタは一般に次の順に使用されます。
  1. 「ベアボードテスタ」
    このテスタを使って、部品を実装する前のプリント配線板そのものを検査します。このテスタではプリント配線板(ベアボード)の配線パターンが定められた通りに配線され、端子間がつながっているかを調べます。
  2. 「インサーキットテスタ(In-circuit Tester)」
    アセンブリ後、このテスタを使って、プリント配線板上の各部品の電気的特性を測定し、アセンブリ時に発生した不良を発見します。回路の外部出力信号を測定し検査するのでなく、回路内部の信号を測定し検査するので、インサーキットテスタと呼ばれています。製造する回路がアナログ回路かディジタル回路かによって、使用するインサーキットテスタが決まります。
    • 「アナログインサーキットテスタ」
      アナログ回路検査用のテスタ。半田ブリッジや抵抗、コンデンサ、コイルなどの素子値を測定したり、ダイオードの逆付けなどを検査し、製造不良を発見する検査装置で、次の2種類のものがある。
      • 「インピーダンステスタ(Impedance Tester)」
        プローブ間のインピーダンスを測定し、良品と比較して不良を発見する検査装置
      • 「コンポーネントテスタ(Component Tester)」
        個々の回路部品(component)をテストする検査装置で、次の種類のものがある。
        • フィクスチャタイプ・コンポーネントテスタ
          検査対象基板の各配線パターン毎にプローブピンを立てたピンボード(生け花で使う剣山のようなもの)を作り、プローブピンをリレーで切り換えて回路部品の電気的特性を測定し検査します。
          検査時間が非常に短く、高速検査が可能なため、量産品の基板検査に適しています。
        • フィクスチャレスタイプ・コンポーネントテスタ:(別名、X-Yインサーキットテスタ)
          水平軸(X軸)、垂直軸(Y軸)にプローブピンを動かす機構を持ち、テストデータに沿ってそのプローブを移動させて、個々の回路部品の電気的特性を測定する検査装置。
          フィクスチャの作成が不要なので、多品種少量品の検査や新製品の立ち上げ時の検査に適しています。
    • 「ディジタルインサーキットテスタ」
      ディジタル回路検査用のテスタで、プリント配線板上のICを検査するために、回路に電源電圧を加え、検査対象ICの入出力論理値を測定し、不良が発生していないかを調べます。
  3. 「機能テスタ(Function Tester)」
    実装後のプリント配線板に電源電圧を供給し、実動作させ、その実装回路の外部出力を測定し、その回路の機能(function)が正しいかどうか調べます。このテスタは回路の機能検査のために使用します。
ここで使われている専門用語を簡単に説明しておきます。
ライン