電気電子工学創成実験(もの作り教育)

Updated on Oct. 20, 2010
 電気電子工学創成実験(必修1単位)の私が担当する実験テーマでは「もの作り教育」を行っています。
質問等がありましたらメールを送って下さい.時間が許す限り,返事を出したい と思います.
(担当:橋爪)

【本ページの内容一覧】
  1. 本実験の目標
  2. 本実験の概要
  3. 本実験内容
  4. 実験レポートの作成についてNEW(回路図のダウンロードは左から可能)
  5. 実験レポートを読んで(実験レポートに対する講評)

1.本実験の目標
 身の周りにさまざまな種類の電子機器がありますよね。携帯電話とかシステムコンポとか・・・。
それらはいったい誰が作っているのか考えたことがありますか?

 それらは電気電子工学を学んだ人達が作っています。ということは、
将来、自分たちが電子回路を作ることになる可能性が高いことになります。

 現在、電気電子工学科に籍を置いていますが、
  ・電子回路はどのような手順で作られるか知っていますか?
  ・電子回路は電子部品を使ってプリント配線板上にはんだ付けして作りますが、
   そのプリント配線板はどのように作るのか知っていますか?

 この実験テーマでは、「実際に電子回路を設計・作製し、電子回路開発の全工程を
体験し、電子回路がどういうふうに作られるのかを肌で知る
」ことを目標にしています。
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2.作製する回路の概要
 物性デバイス講座担当の実験で「LED」という電子回路部品を作製しています。
本実験テーマではLEDを用いたアナログ電子回路を作製します。そのため、本実験を通して、
物性デバイス講座の専門分野がどのように応用されるのか、その位置付けも
理解できると思います。

 電子回路は計算機を用いて設計するのが一般的となっています。
そこで本実験では計算機を用いて電子回路設計を行います。計算機を用いて設計する
ことを「CADツールを使って設計する」とも言います。本実験では回路シミュレータという
CADツールを使って設計します。

 近年、個別部品で回路を組むことはほとんどなくなり、IC内に回路を
作るのが一般的になってきました。ICの製造工程では「露光」や「エッチング」が
行われ、ICが作られています。それがどのようなものか具体的に知っていますか?
プリント配線板の作製でも露光やエッチングを行いますので、それらがどういうことを
するものか知るために、プリント配線板の作製も行います。

 本実験では、LEDによって発する光によってCDプレーヤーからの音声信号を伝え、
スピーカーからその音を鳴らすアナログ電子回路、簡単に言えば「光通信回路」を作ります。
その回路を一人1セット(送信回路部と受信回路部)作ります。
作った回路は自宅に持って帰れます。

 電波で信号が送れるというのは携帯電話が普及しているので誰でも知っていますが、
信号はこんな形で光で送れるというのはあまり知られていないでしょう! 
この回路は素人にとっては驚きを感じる回路なので、ぜひ、他学部他学科の人に
見せてあげましょう! 


       LEDを用いた光通信回路
    (CDの音楽がスピーカから聞こえます)

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3.実験内容
本実験テーマでは次の内容の実験を行います。詳しくは実験内容の説明で説明します。
  • 実験内容の説明
  • 回路シミュレータの使用法とそれを用いた電子回路設計
  • 電子回路部品の取り扱い方とブレッドボード上への回路の試作
  • プリント配線板の作製方法
  • プリント配線板への回路の実装と検査
  • 口頭試問

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4.実験レポートの作成について
 実験レポートは、実験テーマ、実験の目的の後に、本実験テーマで行った
実験内容、実験結果、考察の順で記述し、提出してください。

 実験の目的は、下記の「実験レポートの作成上の注意」内に記載していますので、
それをレポートの記述してください。実験レポートの形式のサンプルもそのファイルに
記載していますので、レポート作成前に必ず下記のファイルを読んで下さい。
    ・
実験レポートの作成上の注意(但しPDFファイル)
    ・実験レポートの形式の一例(但しWordファイル)

 ワープロでレポートを作成する人用に、本実験で製作した回路図のコアの部分を
作成しました。但し、MS-Wordファイルです。それを下記からダウンロードし、
それを修正してレポートに載せてもOkです。ダウンロードは下の「回路図Wordファイル」の
上にマウスカーソルを移動し、右クリック。そこで現れるメニュー内の「対象をファイルに
保存」を左クリックした後、保存先を指定します。:回路図Wordファイル

 回路シミュレータの出力波形は印刷しなくても、クリップボードに貼り付けた後、
Wordファイルに貼り付けることができます。そうすれば、糊付けしなくてもレポートは
作成可能です。再レポートとなることが多いので、ワープロで作成してください。

 レポートは表紙を付けて提出してください。 表紙のダウンロードは こちら(Wordファイル)。

 レポート提出時には自己チェック表も添付してください。 その表のダウンロードは こちら(PDFファイル)。

 本実験では回路シミュレータとして「LTSpice」を使用しました。
フリーウエアですので、自宅のパソコンでダウンロードし使ってみて下さい。
ダウンロード先や使用法は このページ がお薦め

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5.実験レポートを読んで(H14年度分ですが、必ず読んで下さい)
  • レポートの書き方について
    • フリーハンド(手書き)の図が描かれている。
      レポートは公式文書なので手書きの図は禁じられています。図は定規を使って描きます。
    • 他人とまったく同じレポートが提出されていました。
      レポートはオリジナリティ重視です。そのレポートの評点は非常に低くなります。
    • 実験レポートは他人に見てもらうもの。ていねいに書く。なぐり書きのレポートは不可。
    • 実験時に配布した資料をそのままレポートに写していました。
      丸写しに意味がありますか? 実験内容を自分なりに要約すべきです。
    • 提出されたレポートでは「実験結果の再現性」がとても保証されません。
      レポートでは、実験で得た結果の再現性(他人がそのレポートを読んで、
      そのレポートとまったく同じ結果が得られること)が保証されなければなりません。
      実験時に配布した資料を適当に丸写ししただけだとそれが保証されません。
    • レポートの綴じ代のための余白が設けられていません。
      レポート用紙全体に書いています。レポートの左端に穴を空けて保管できるように、
      レポート用紙の左は2.5cm、上は3cmほど空けて文章を書くようにしましょう! 
    • レポートの左上を綴じましょう。
      綴じる場合はホッチキスでなく、ユニクリップかバインダクリップで レポートの左上を綴じて下さい。

    レポートを綴じるのに使用するクリップ
    (左から、ユニクリップを綴じるもの、ユニクリップ、バインダクリップ)
  • 考察について
    • 考察した問題を書かずにそのまま考察結果を書いている。考察の問題は書きましょう!
      班毎に考察の問題が変わる場合がありますので、考察の番号だけ書かれても
      何について考察してるのか読み手にはわかりません。
    • 「なぜ〜となるのか説明しなさい」という理由を問う考察で理由を説明していない。
      とにかく考察で問うている内容と異なる内容がレポートに書かれていました。
    • 考察で課題1、課題3とか書かれていながら、提出されたレポートのどこにも
      課題1、課題3が何か説明されていない。
    • 明らかにどこかの本の一部を丸写ししているのに引用文献を明示していない。
      「〜について調べた結果、??には下記のように書かれていました。それから判断して〜」
      というふうならまだしも、完全にどこかの本の一部を丸写し。
      丸写しは禁じ手ですが、丸写しするなら、どこから引用してきたかわかるように、
      本名、著者名、出版社名、引用ページを各考察のすぐ後に考察毎に書きましょう。
  • ワープロでレポートを書く場合の注意事項
    • レポートの評点はあくまでオリジナリティ重視。この原則を忘れないでください。
    • 図は実験時に配布したものをそのまま糊付けしたり、スキャナで取り込んで貼り付けた
      レポートはオリジナリティなしと評価されます。図は自分で描きましょう。
    • ワープロ・レポートの場合、手書きと違ってなぐり書きという評価にはならないでしょうが、
      文章とか図が他人と同じ場合はオリジナリティなしと判断され、手書きに比べ著しく評点が下がります。
      他人と同じレポートが出てくること自体、おかしいことですので、注意して下さい。